インポスター症候群は、 ペテン師症候群や詐欺師症候群とも呼ばれる反応ですが、精神障害と認識されるようなものではありません。本来ならば、インポスター体験とすべきもので、特定の個人に現れるような精神障害や精神疾患というものでなく、誰でも経験しうる精神状態のことで、その精神状態に陥った人のことも指します。
実際に、インポスター症候群と言われる人は、自分の能力によって達成した状態を内面的に肯定できず、自分のしていることはペテン師や詐欺師と同じで、自分が相手を騙すことで自分の能力以上の評価を得ていると考えます。
つまり、自分の成功や高評価は、単なる幸運によるものやタイミングが良かったおかげ、もしくは自分が相手を騙して信じ込ませた結果と考え、自分自身による自分の努力や能力に対しての評価が低く、自己肯定感が低いのが特徴です。
インポスター症候群と診断される人は、社会的に成功した女性に多く、自分の現在置かれている状況は、他人から過大評価された結果であると考えています。これは、ポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスという2人の心理学者によって、明らかにされ、インポスター症候群と命名されました。
しかし、アイムス自身がのちに言っているように、症候群や精神障害の類のものではありません。社会的に女性が抑圧されてきた環境にある女性や一般的に評価が低い人種や文化を持つ有色人種に顕著に見られ傾向があります。
本人の経験からくる症状であり、今では、世界中の人口の約70%が経験しているものだも言われています。